メディアアートの祭典 アルスエレクトロニカ
今回「AI」がテーマだったがそれに劣らずバイオアートが多い印象でした。特に自分の血を音に変換・心臓音を音に変換して展示しているアーティストが多く、まず発想自体が面白いけれど、変換してできたものは一体・・・。と理解するのに時間がかかる作品も多々ありました(笑)
そして、サウンドアートも自分がそんなに知識がないので、電子音がひたすら続く作品も正直、難しかったです。(笑)
以下のは迫力があって圧倒されました。。。
にしても、ひえ〜〜〜と思うような素晴らしい作品・パフォーマンスも多く、世の中にはこんなに面白い人がいるのか、、、と大分モチベーションが上がる機会でもあり、私もいつか出品したいな、、、と密かに思いました。。。
そして、技術先行パターンとコンセプト先行パターンどちらかというと、前者の方が多い気がします。ただ、技術先行だとしても、その技術に合ったはコンセプト(メッセージ性?)がしっかりしていると、ずっと見入る。
thedermalabyssという作品?技術は、体の状態に合わせて色が変わるインクを開発していて、それをタトゥーにするという試みが興味深い。体調に合わせて色が変わるという技術を、タトゥーにして体に埋め込む発想は日本だと馴染みないから考えないだろうな〜と思います。
そして、日本人の多さにも驚愕。来場者の10分の1以上は日本人かと。筑波やらSFCやら日本の大学のゼミごとの出展も多く、内容も興味深かったです。
会場はアルスエレクトロニカセンター・OKセンター・ポストシティの3つがメインで他4つくらい少し作品展示があるくらいで、トラムを使えばすぐ行き来できます。
ポストセンターがメイン会場だったので、もうところ狭しと作品が展示されてて、計2日間ぐらいじっくりかけて見て回りましたが、それでも後からガイドブック見てると、見ていない作品も結構合って悔しい。。。
ここでは、2階が大学や会社単位のプロジェクトが多く、1階がアーティストの作品展示になっているようです。
特に、1階の展示が全て素敵でどっひゃー。特に気になった作品。
台湾のReadingPlan。
政府は個々の考える力よりもお金を生み出す機械を作ることを促進したいのか、と台湾の教育制度を皮肉った作品。広い空間に、本をめくる機械が数十台も置いてある。ただ、教科書をめくるだけの装置だが、BGMに小学生の音読の声が流れてて、小学校をイメージしているのがすぐわかった。アルス全体を見て、個人的には台湾の人の作品がとても気にな理ました。昨年?イアマスにもきたヤンツーさん(写真以下)の作品も夜のライブの台湾の人のパフォーマンスもめちゃくちゃ良かった。(動画にも流してます)5月に行った石垣島に行ったとき、台湾は沖縄本島よりも近い国でしかも文化が栄えているのに、あまり交流がないのが残念と石垣市役所の人が言っていたので、今後修士研究する上でも調べてみたいと思います・・・。
Data stratification
文字表記のない口伝えのアボリジニの言葉がなくなった後の表現方法として、それをコードに変換して、その土地の物質に置き換え表現するという作品の展示。展示方法がとても綺麗で見入りました。
OKセンターは新人賞?受賞の作品がメインに展示。
展示会場に入ると、天井から吊るされたイアマス卒業生の三原さんの作品もあります。
グランプリ受賞は、犬の遺伝子と組み合わせて犬人間ができる将来になるかもしれないというもの。展示されていたもの自体は顕微鏡とオブジェと犬と人間の顔が被ったようなビジュアル。展示自体は割と殺風景な感じであったため、展示物として、ではなくその考えにフォーカスされたんだなーと思いました。
個人的はキャプションを見てもあまり理解ができなかったため、しっかりこなかったのが正直な印象でした。(おそらく英語がきちんと理解できたら、なるほど〜となるのかもしれないけれど・・・)
逆に日本の作品は、機械を奴隷のように扱う現代についての作品自体が面白かったです。鎖に繋がれたロボットが数台いて人がそのブースに入ると苦しそうな声を上げながら、人の方を向く。コンセプトは結構シンプルだけれど、作品自体を見て、コンセプトがダイレクトに伝わりやすく共感するしないは別にして理解して作品を見ているひとが多い。
オーストリアで活動するWHAT'S UPの展示は、空間全体が小さい町になっている。貼ってあるイベント開催ポスターも開催日が2048年になってあったりと徹底的してる。基本的にポジティブにテクノロジーと暮らす世の中になっている反面、横にある川はDANGER(水が汚いから)と看板があったりと、将来のネガポジを空間に共存させてました。
リンツ工芸大インターフェースカルチャーの展示について
リンツ工芸大の人はほぼ全員?展示しているようでしたが、個人よりも2人組でコンセプト作る人、実装する人と制作分担して制作している作品が多いのが興味深かったです。ここでもサウンドアート?が多い印象(もしかしたら、授業でサウンド系の授業が多いからかもしれない)。個人的には、フランスの女性2人組の楽器が好きでした。上から吊るされている4つある立方体上下や、横に動かすと、音や光が変わる。そして夜に1階のメインパフォーマンスステージでそれを発表できる機会があるっていうのも、学生にはめちゃくちゃ良い機会だろうな〜と思います。
こんなにも多くの人がくる機会で、作品発表できるアルスは学生にとって非常に重要な機会なんだろうなっていうのがとても伝わった。そして自分も頑張らな、、、と気を引き締められる。。。
そもそもアルスエレクトロニカに来れる機会なんてそうそうないので、このタイミングで留学できたのは、刺激になり本当に良かったです。
ただ、撮ったやつを繋げただけの動画
量が多いとはいえ、それぞれ作者の気持ちが入っていて作者がいればとても丁寧にしてくれ、アルスが作る人にとって、重要な機会なんだなっていうことが伝わりました。
日本もここぞとばかりに沢山出品しててアルスに対する温度の高さを感じました。
初めて行ったアルスは芸術祭でもなく、商品見本市でもない、上手く言葉にはできないけれどみんなが未来に向かって期待してワクワクしている感じがして熱気があり、私も、このパワーを受けたし、おそらく出品している人もこの1年に一回の熱気を受けてまた頑張ろってなるんだと思いました!
私もこの留学。身になるように、メキメキ頑張ります〜〜〜!
良すぎて半泣きだった Palazzo Fortunyの展示「INTUITION」とお金と迫力正比例なダミアンハースト
ベネチアヴィエンナーレのレポしましたが、実は個人的に一番感動したのがベネチアに到着して1番はじめに行ったPalazzo Fortuny。
展覧会名は「INTUITION」(=「直感」) 場所性×作品のセレクトが素敵で、普段はホワイトキューブの中に置いてある作品たちが、この会場の雰囲気で他の作品と共に置かれることにより、より魅力が増幅している気がしました。
最初はバスキアから始まり、
古代(いつ頃なのかは忘れた)の石たち。建物はとても古く、地震が来たら一発で倒れそうなボロボロの建物の中に 古代から現代まで、年代別ではなく、 建物の中に古代から現代まで、絵画からメディアアートまでテーマ、その部屋(場所)に合ったものが展示されています。
例えば、古代ペルーの素敵な幾何学模様の布のすぐ横に、室町時代の器があったり、その反対にはジャコメッティがぽんと置いてあったりする。(もちろんガラスの展示ケースに入っていない)
元からその場所にあった建物を使ったり、棚の中に、キュレーションされた作品たちが置かれていたりする。
そして個人的に好きな作品。煉瓦造りの古い建物に突如現れた大きな穴?というか突起物。ブラックホールみたいな吸い込まれるような、それ自体が生きているような気がした。
このキュレーションメンバーでやるのは6回目でしかもこれで最後らしい。
今までの回見て見たかったと悔しいながらも、こんな素敵な展示見れただけで幸せでした。。。
ダミアンハーストの展覧会は、行く前にネットでレポ読んで行きました。
まあこんなにお金かければそりゃ作品も大きくなるわ、っていう感じですが、個人的には、作品自体クオリティが高く、かつとっつきやすくて面白い!
全部昔難破した船から見つかったものを引き揚げて展示というストーリーで引き揚げシーンの映像まで制作されている。とりあえず迫力重視。ここまで大きくする必要あったのかっていうくらい大きい作品が多い。
ペルーっぽいこんな小さい置物まで、全て作ったなんて。。。
ちゃんと発掘する映像も流れています。
これは、もう、作るのに何円かかったんですか〜〜ってくらい大きい。
難破した船の中に、宝物がどのように配置されていたかの図まである。
迫力
迫力・・・
その一方でここまでやる必要あるのかというくらい小さいものまで財宝が再現されているのが面白い。 ただ、若干グロテスクさが入る作品が多い(ダミアンハーストらしさなのかもしれないけれど)ので、途中でああお腹いっぱいです。ってなりました。 スクさが入る作品が多い(ダミアンハーストらしさなのかもしれないけれど)ので、途中でああお腹いっぱいです。ってなりました(笑)
アート万歳なヴェネツィア・ビエンナーレ
このテーマを見て、一見楽観的のような、逆に今の社会情勢(特にヨーロッパ)を皮肉っているのかと感じましたが、国ごとのパビリオンに展示されている作品は圧倒的に民族・政治をテーマにしたものが多く、それをアートを通じて伝える役割ができるのではという希望からこのようなテーマになったと解釈。(すみません。全く美術の研究をしたことがない私がいうので安易かもしれません)
その中で日本は、作品の規模やアウトプットで勝負してるわけでなく、そのアウトプットになるまでの発想や問題意識他の国と完全に違う印象を持ちました。
例えば、民族問題をテーマにした時、映像や彫刻・絵画などで作品にしている人が多い中、田中 功起は「家から原発がある場所まで徒歩で歩く」行為自体が作品になっていたり、
島袋道浩も「macboolairを研いで包丁にする、iphoneを石を交換する」というプロジェクト自体が作品になっていて、展示が独特だった印象。個人的には、新しいアートの形といったら安易な言葉になってしまうけれど、その考え自体を展示しようとすることに非常にワクワクしました。
他のパビリオンについて(棚原勝手にセレクト) 残念ながらドイツ館はその日やっていなかった絶&望
日本館
ロシア館 人が埋め込まれている彫刻がやけちゃっちくて、変な四角の模様がついているし、えええどうしたのって思ったら、ipadをかざすと、その彫刻の中が映し出されてサーモグラフィー?のようなアニメーションで人が動いているのが見える。
オーストリア館 普段の使っている道具を普段とは違う使い方で試してみる。
中国館
現代問題を、伝統手法でアプローチしている。刺繍や影絵。
ベネチアの洗濯の干し方がよかったので、あるたび撮っていたら写真が結構溜まってた。 日本だと、あまり、洗濯を堂々と干したくない方ですが、ここまで堂々と干してると清々しくなる。
他にもペルー館はずらりとお面・・・
イタリア館
よくわからなかったけれど、怖い。
どこの国かど忘れしたけれど、これも素敵だった。
おそらく社会主義?時代のバッチを色別に貼って虹にしている。
国別のパビリオンがありつつ、また別の場所にアーティスト別の会場があり、量がすごい。。。国別の展示は、各国、セレクトしたこれぞっていうアーティスト一人絞って展示しているので、一人の作品が深く展示されている感じで、国別に個性が出てました。でもやっぱり、その国に対する問題意識に関する作品が多かった気がします。
変わって、アーティスト別はその人自身の問題意識というかメッセージ性があるので、大きな会場で小さい区切りで分けられている展示だと見るのがとても大変。。。興味がある人の作品はメモってあとでネットで深く調べよ、、、ってなりました。
2日間しかなく、しかもダミアンハーストなどなど他にも見たい展示がいくつかあったので、ベネチア3日間少なかったな〜という印象ですが、ヴェネチアビエンナーレ・ドクメンタ・ミュンスターと10年に一度の年なので、沢山見て吸収しようと思います・・・!
3ヶ月ヨーロッパに留学行ってきます
いってきますというより、もう行ってます!!
まさか、去年の今頃は
自分が会社やめるなんて、
大学院に入るなんて、
ヨーロッパに留学きてるなんて
全く思わなかったであろうことが起きています(笑)
大学院で交換留学制度があるので、
イアマスからリンツ工芸芸術大へリンツ工芸芸術大からイアマスへ
半期に一人ずつ交換で学生がいくことができます。
ずっと、海外願望はあり
そもそも大学院も日本ではなく、海外の大学院に
行こうか悩んでいたので、
短期留学ながらも寮に住まわせてもらえるし、
何より、アルスエレクトロニカのタイミングで行けるということから
留学を希望しました。無事通過(というより一人しか希望がなかった)
したので、直前まで準備全然できておらずバタバタでしたが、
なんとか最初の目的地ベネチアまで来ることができました。
またこちらの展覧会は別でブログ書こうと思います。
3月にニューヨーク・南米初ひとり旅しましたが、1ヶ月でも
ビビっていたのに今回は3ヶ月。どうなるか不安!心配!
しかもベネチア一人の人本当にいないwww
マジで周りの視線が辛いwww
でも、こんなことにめげず頑張って行こうと思います〜。